高齢期になって住み慣れた自宅から、住み替えをするという暮らし方があります。
部屋の中に段差がなく怪我をしにくい、夜急に体調悪くなったときも連絡をすれば駆けつけてくれる、食事も自分で作らなくても食堂で食べられる…そんなサービスの付いたシニア向け住宅です。
介護など手助けが必要な方だけではなく、安心できる住まいを得てますますいきいきと毎日を過ごされている方も多く暮らしています。
しかし、シニアのこれからの暮らしにはまだまだ考えておいた方がいいことが、実はたくさんあります。老い支度です。
将来介護が必要になったとき、それも認知症などで自分で要望が伝えられなくなったときにどうしてほしいのか。
命に関わる病気にかかったら。どんな治療を受けどのように眠りたいのか。
葬儀やお墓はどうするか。
残った財産は。
安心して任せられる住まいであっても、自分で考えてサポートしてくれるスタッフにも伝えておくことで、より充実した暮らしづくりに役立ちます。
考えようと思っても、後回しにしてしまうことも多いかもしれません。
福祉マンションをつくる会では、地域に根差した、入居者が主体のシニア向け住宅の運営を目指している㈱生活科学運営と協力して、昨年からいくつかのハウスで入居者の方々とともに、老い支度について考える交流会を開催しています。
写真は昨年の様子。たくさんの方々が参加してくれました。
老い支度に役立つ契約や、今多彩に選ぶことができるようになった葬儀について、など
話題を提供しながら、参加者同士でお茶を飲みながらおしゃべりの時間もあります。
実は同じ屋根の下に住む近しい間柄だと、なかなかこのような話をする機会は少なかったりもするのですが、
私たちがお邪魔することで、ちょっと勇気を出して自分のことをお話してくれる方もいらっしゃいます。
そのお話が他の方の老い支度を進める一歩になったり…
老い支度をする意味はいろいろありますが、一番大切なのは
一人ひとりの生き方が響き合って、ひとつひとつが大切だと感じあえること。残りの人生をもっと楽しもうと思える時間を過ごすことじゃないかなと思います。
今年もそんな時間をつくるために、準備中です。(k)