高田馬場からこんにちは-NPO高齢期の住まい&暮らしをつなぐ会-

高齢期をいきいきと暮らしたい!住まい・暮らし・仲間を軸にした自分らしい老い支度の情報交換・交流の場をつくっています

任意後見契約についての学習会をしました〜人に頼む難しさ〜

 2012年最初のセミナーを12日、表参道の東京ウィメンズプラザで開催しました。
 テーマは「任意後見制度」。認知症になったときの財産管理や身の回りの世話の手配を、元気なうちにあらかじめ自分で誰に頼むか決めて、契約しておくものです。
 講師は今回もNPO遺言相続サポートセンターに協力いただき、理事で司法書士の森山哲也さんにお願いしました。
 
 後見制度は、2000年の介護保険スタートと同時に誕生したのをご存知でしょうか。高齢者の増加による介護の手とお金の負担を減らす同制度は、今までの10年の間になくてはならないほど浸透しました。
 それに比べると、認知症になった人がスムーズに介護を受けられるよう手続きをしたり、そのための財産を守るためにつくられた後見制度の方は、まだまだ多くの人が利用しているとはいえない現状です。
 その理由としてはまず、制度がまだ成熟していないということがあります。元気なうちに契約しても、では認知症になったときにどうやって後見がスムーズに始められるのか?これには、任意後見契約をしたときに同時に定期的に連絡を取るなどの見守りをしてもらう契約をする対策が考えられていますので、利用するのもいいのではという話がありました。

 また、今元気なのに認知症になったときのために契約をすると、もしならなかったらお金が無駄になるのではないか?という疑問を持つ人もいました。実際には、契約書を公正証書で作成する費用はかかりますが認知症になって後見が始まるまではそれ以外のお金は原則的にかからないことも理解できました。

 一番大きなこととして、契約を結び人に自分の身辺を頼むということのむずかしさ、ではないでしょうか。
 人に頼む以上、自分がやるのとまるで同じというわけにはいかないし、できるだけ希望通りにしてもらうためには準備も必要です。
 しかし、実際契約を結んだ人が「やるべきことをちゃんとした、という安心感を得られた」と言うことからも、けして面倒くさいだけではなく、高齢期の時間を不安で思いわずらうことなく暮らしていくために、ちゃんと考えて行動するだけの価値はありそうです。(k)